中ノ沢こけし(柿崎文雄工人)

 

異色の表情で目を引くのは、
「たこ坊主」の愛称をもつ「中ノ沢こけし」。
11系統ある伝統こけしの土湯系(福島)に含まれるが、
遠刈田系の影響も見られる構造や独自性から、
系統独立を目指している。昨年末のニュースで、
伝統こけしの12系統目になりそう、
という記事を見つけた。

創始者は栃木出身の木地師・岩本善吉。
たこ坊主の顔は、善吉が逆立ちして踊った
「逆さかっぽれ」の際に、股に挟む張り子に描いた顔が
もとになったという説もある。

中ノ沢こけしの工人でつくる
「たこ坊主会」の会長にアポを取っておいた。
教えてもらった住所に行くと
柿崎文雄工人は工房でこけしを作っていた。
木地挽きの作業中で、
木取りした用材をロクロで回転させながら
カンナをかけて思いの形に削っていく。

居間に通され、箪笥の中からぞろぞろと
たこ坊主が出てきた。50体ほどあり、
いろいろな作品を復元させているらしい。

購入させてもらったのはこの3体で、
希少な青坊主を1体と、
小ぶりなたこ坊主を2体
連れて帰ることにした。

たこ坊主はユニークな表情が多く、
変化に富んでいるので集めるのが楽しい。
きっと12系統目になるだろうし、
いろいろな表情のものを集めてみたいと思う。

↑磯川盛男工人の作品
(日本橋のアンテナショップで購入)

↑荒川洋一工人の作品
(ヤフオクで購入)

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