小さなアキタビ ’19 沖縄編④

 

久しぶりに目覚ましもかけずに
ぐっすりと眠った。
時計をみると午前9時、
10時間も眠っていたようだ。
カーテンを開けると少し重たい空だったが、
雨の予報は今日もハズレてくれたようだ。

竹富島の2日目、
今日は「種子取祭」のハイライトらしい。
種子取祭(タナドゥイ)とは、
祓い清めた土地に種子を蒔き始める祭りで、
10日間行われる島の最大行事。
国の重要無形民俗文化財に指定されている。

朝から世持御嶽で種々の芸能を
奉納する祭りが行われていた。
島の人たちが総出でこの祭りに参加するため
店はほとんどが休業。
民宿も基本的に泊めてもらえず、
それでもなんとか素泊まりで泊めてくれる
宿を見つけられてラッキーだった。

しばらく種子取祭を見学した後に
島の散策に出かけた。

 

「西桟橋」
元々は西表島から来る船の荷揚げに使われていた桟橋で、
全長約100mほどの長さがある。
あいにく台風が近づいていたため、
今日も波が高く、風も強かった。
それでも海はしっかりと青い。
夜は満天の星空を見ることができるスポットでもあるが、
この雲の厚さでは難しいだろうな。

そのまま浜沿を歩き、「コンドイ浜」を目指した。
ここは白砂ビーチで、晴れていれば
遠浅のためもっとも澄んだ青い海が楽しめる。

海辺の公園には猫がたくさんいて
とても人懐っこい。
カメラを向けて撮影しようとすると
すぐにすり寄ってきてしまう。

 

午後は雨を避けながら
2つの集落をあてもなく歩いた。
ザッと雨が落ちてきたかと思うと
ものの5分で止み、時折青空も見える。
なんとも不思議な天気だ。

「なごみの塔」
ここは集落を一望できる物見台である。
伝統を重んじる竹富島では
2階建てが許されているのは小・中学校のみ。
他の建築物はほとんどが平屋で、
このように集落を見渡せる場所は珍しい。
ただ、以前は登ることができたのだが、
いまは老朽化のため塔への立ち入りが
禁止されてしまっていた。

 

それでも塔が立つ丘に登って集落を眺めた。
何年たっても変わらない景色は
なんだかほっとする。
世界中探してもこの箱庭のような
素朴で、ノスタルジックな町並みは見つからないだろう。
何年か先に、またこの景色を眺めたいものだ。

夜になり、祭りはユークイを迎えていた。
ほぼ夜通し各家を廻る行事で、
太鼓や銅鑼を鳴らしながら、
歌声が近づいてくる。
朝からずっと続くこの種子取祭。
600年前からずっと、
伝統や文化を大切にし、いまに紡いでいる。
すごいパワーだ。

部屋の電気を消し、布団に入ると
窓の外からは風の音と、
ユークイの音色が聴こえていた。
午前2時、
今夜の竹富は1年で一番賑やかかも知れない。

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